03 Jul 華麗なるギャツビー The Great Gatsby 小説を忠実に映画化
アメリカ文学を代表するF・スコット・フィッツジェラルドの有名な小説。ヒロインのディジーはハリウッドの女優の多くが演りたがった役なんですね。「ある愛の詩」で当てたプロデューサーのロバート・エヴァンスが最愛の妻アリー・マッグロウのため権利をゲットし準備中、アリーはステイーブ・マックインと恋に落ちトンズラ、企画はお流れ。それからしばらくして制作された作品です。ディジー役はミア・ファローが獲得。主人公のギャツビーはロバート・レッドフォード。ストーリーの語り部のようなギャツビーの友人キャラウェイは、サム・ウオーターソン。
かっては恋人同士だった二人は、兵役後ギャツビーが一文無しになると、デイジーは早速大金持ちの男と結婚。デイジーが忘れられないギャツビーは、大金持ちになり大邸宅を建て、夜な夜な豪華なパーティを開き、デイジーの関心を引き愛を再び掴もうとするんです。すでに夫との間に隙間風が吹いていたデイジーはもちろんなびきます。が、男(妻がギャツビーと不倫していると誤解)にギャツビーが射殺されるという悲劇が起き、するとデイジーは何もなかったかのように、夫のところへ帰るんですね。このデイジーは上流階級の申し子で、ガラス細工のような壊れそうな風情と、笑顔の下に驕慢と冷たさが隠されたヒロインで、演りようによってはつくづく嫌悪される女性像ですが、ファローの微妙な演技で、勝手な女性だなと思うぐらいでおさえられています。
レッドフオードもそれなりのギャツビーを好演。本は未読ですが、本を忠実に映画化と評価されているこの作品で観る限り、ロマンチシズムの男と、物質主義で現実的な女との行違いの悲劇と言えるのかも知れない。この映画に関していつも湧いてくる思いはギャツビーを射殺する男の妻役のカレン・ブラックのことです。個性的な演技派で有名だったブラック。こういうアクトレスは年を取っても脇としてユニークな映画に出演が続くんだろうなといつも思っていたんですが、パニック大作の「エアポート・シリーズ」で主役を務めたあと、消えてしまい、次に話題になったのは、病気の手術のためお金がないのでファンディングで手術費を募ったことです。驚き、少し悲しくなりました。マイ・ハリウッド7不思議の1つです。
75点
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